実験

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このところの暑さは半端じゃない!

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つい先日、締め切ったままにしてあったアトリエに帰ってみると、室内の気温は40度を超えていた。ふと窓辺をみるとたまたまそこに置いてあった太さ2センチほどのろうそくが溶けて曲がり、だらっと垂れている。こんなもの始めてみたぞ!

 

さて、ちょっと前のことになるが、いくつか実験をした。ミクストメディア作品用の下地作り・・・。鉛筆を基本に水彩、色鉛筆、パステルなど、使い分けながらの作品のための下地として、ここしばらく板に和紙を貼ったものを使っている。紙に鉛筆・・・、というのは相性がいいのだが、何かもっとかちっとした強さが欲しくなったのが始まり。硬質な板に描けないものかとアクリルのジェッソの地塗りを使ってみたり、油絵にも使っている白亜地に描いてみたりしたがなかなかしっくりこなかった。アクリルのジェッソの場合、もともと柔軟性の強い素材なのでかりっとした描き心地というよりは極端に言うとビニールの上に描いているような感じ。勿論ちゃんと描けるのだが、書いたものを消そうとするとくっついてしまってきれいに消せない。白亜地の場合、非常に硬質で上手く描けば強さが出るのだが、仕上げの表面状態によって描き心地がかなり変わってくる。マットな仕上がりの上には非常に良く鉛筆がのる。簡単に言えば非常に細かなざらつきがある硬い表面がサンドペーパーのような働きをするため、9Hくらいの硬い鉛筆でもかなり色が濃く出る。しかし定着性からいえば、削れた鉛筆の粉がのっているだけなのでこすっただけでもすぐにぼけてしまう。消しゴムを使うときれいに消せるが消えすぎて微妙な調子が出しにくい。反対に光沢のある表面に仕上げると今度は鉛筆が滑って色がつかなくなる。その辺を上手くコントロールできないとなかなか思うようには描けない。最終的にたどり着いたのは硬質な地の上に極薄い和紙を貼るという方法だった。そのことで描きやすい紙の表面を持ちつつ硬質な板の強さを持たせることができる様になる。膠によって固められた紙は相当強い筆圧で引っ掻いたり消したりしても負けることもなく、様々な画材の使用にも耐える。、初めのうちはベニヤ合板の上に和紙を直に膠で貼っていたが、最近はさらに硬質な表面を求め、一旦板に白亜地塗料を塗った上にやや薄めた膠で貼り込むようにしている。

ところで実験は、貼り込む和紙の種類を変えてどんな違いが出るか・・・、というもの。生漉紙、雁皮紙、鳥の子紙・・・、何種類か買って来たものをシナベニヤ合板に膠で貼っていく。乾いてからそれぞれの紙の上半分にさらに膠水を刷毛塗りする。さらに乾いてからその上半分に膠水を塗り重ねる。膠が強ければそれだけ紙は強くなるが、反対に紙本来の描き心地は失われていく。そのちょうどいい具合がどのあたりかをみたかった。次に着色した膠水を紙の右半分に刷毛塗り。これで1枚の紙につき、6通りの表面ができる。あとは実際に鉛筆で描いて描き心地を確かめるだけ。

何がどう違うか、ここでいちいち書くのは大変だし、かなり微妙な感覚的な違いなのでやめておくが、おおざっぱに言って膠が強いほど、かちっとくっついていく感じになり、次第に優しいぼかしはしにくくなる。鳥の子紙のような厚い紙の場合、膠である程度強くしておかないとクッションが強すぎて鉛筆がのらない。板の書き味を出したければむしろできるだけ薄い紙の方が良い・・・そんなところかな?

今描いている作品は白亜地の上に雁皮紙を貼り、着色して中間トーンを作ったものを使っている。鉛筆である程度描き進め、水彩でごく薄く着色する。その後、明部を白の色鉛筆で描き起こすのだが、その前に膠に少量の白亜を混ぜた溶液を全体に刷毛塗りする。それによって1度全体のトーンを和らげ、また鉛筆を一旦定着することによって白と混じって色が濁るのを防ぐ。同時に白亜が入ることによって色鉛筆ののりが良くなる。あとは再び水彩を加えたり鉛筆を加えたりを繰り返しながら描き進めていく。

・・・文章だと何のことやら訳がわからないと思うが、そんな試行錯誤で素材と対話しながら自分の表現にあった方法を探っている。そのうちもう少し具体的な制作過程をお見せしてもいいかと思うが、今日のところはこのくらいにしておこうかな。一応ちょい見せ程度に今制作途中の作品の部分をお見せしときましょうか。全体像はいずれ完成後、展覧会のご案内の時にでも。

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