短い春

 今、うちの庭が1年で一番きれいな時期。ここに引っ越してきてもう10年を超える。その間少しずつ土を運んだり、木を植えたり、また抜いたり、畑を作ってみたり花壇を作ったり、ベンチや池を作ったり・・・、ちびちび暇を観ては手を入れ続け、なんとなく今のかたちになった。ところでうちの庭は南側にお隣の農家の防風のための20メートルを超える常緑樹がそびえているため、日当たりはお世辞にもいいとは言えない。夏はおかげで涼しいが、冬はっずっと日陰になってしまうため池の氷は冬場、何ヶ月も凍ったままになるほど。だから日向の華やかな花々はなかなかうまく育たない。6月を過ぎると一斉に雑草たちがうっそうと繁りだし、同時に大量の蚊が発生し、もう庭を楽しむどころではなくなる。庭の蚊がいなくなるのはなんと11月を過ぎてから。そして再び寒い冬が始まる。

だから4月初めから5月初めまでの短い春は、何より貴重な庭を楽しむ季節になっている。もともと庭に生えていて、何年にもわたって増やしてきたハナニラ、水仙、オー二ソガラム。隣の農家の庭の種から増やしたムラサキハナナが庭中に咲き乱れる。日陰に強いギボウシやクサソテツ、イカリソウ、ミヤコワスレ。近所のホームセンターで買ってきたクリスマスローズやボタンなど・・・あげればきりがないが、ほとんどのものはここに来るまで名前すら知らなかった。

先週あたりから木々の新芽も出始め、明るい緑も加わった。あと半月ぐらいでピークも終わるかな。もったいないので皆さんにおすそわけ。

2件のコメント

  1. ユーリ
    2017-04-29

    佳いお庭ですね。都心から離れた郊外ならではの人工的な雰囲気がそがれた佇まい、そういう感じが心地良いです。短いひとときに精一杯美しく咲き乱れる花々、可憐な姿をご相伴にあずかれてうれしい限りです。我が家も薔薇たちはつぼみが少しずつほころんでおります。ヒメシャガ、リクニス,クリスマスローズやスズランは真っ盛りですし、ハナミズキとびわの花が純白の花嫁姿を思わせてくれます。1年で一番、草花がみずみずしく咲き誇る頃なのでしょうね。
     さて彩樹会展、拝見いたしました。バックの描き方がラフなタッチのデッサン的で,綿密で且つ情感豊かな女性との対比が興味深く心惹かれました。どうぞこれからもお身体に気をつけて、素晴らしい作品を世に送り出されますように…。

    返信
    1. osamuobi
      2017-05-04

      とても丁寧なコメントありがとうございます。もともと都会育ちのわたしにはここに越して来て全てが新鮮でした。庭で育てた野菜や果物を食べるなんてこと自体考えられなかったことですから。そちらのお庭もとても自然豊かなようですね。
      展覧会もご覧下さり有難うございます。時間をかけて描くものとは違う表現を感じていただければ嬉しいです。

      返信

osamuobi へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください