沸騰ワード10

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 タイトルを読んで、何のことやら意味不明と思われても仕方ない。

これは日本テレビでこれからレギュラー番組になるという番組のタイトル。ここまで言ってもまだちんぷんかんぷんかもしれない。

 実は先日ブログで書いた展覧会、Gallery Suchiの「重力」展http://www.osamu-obi.com/blog/2015/09/post-314.htmlに出品している作品のうちの1枚、S6号、オイルスケッチはこの番組のために描いた作品だった。…といえばやっと意味が分かってもらえるかと思う。

 私もまだこの番組の内容を十分理解しているわけではないのだが、簡単にいえば、世間一般的にはまだそれほど知られてはいないが、ある特定の業界内で話題になっている言葉を徹底調査する…といったバラエティ―番組のようだ。10月末からレギュラー番組として毎週金曜日の夜に放送開始されるらしいが今回109日は夜7時から、単発の2時間番組となるらしい。

 話は1か月以上前にさかのぼるが、ホキ美術館のアートスクールでオイルスケッチの講座をやっていた時http://www.osamu-obi.com/blog/2015/09/2015.htmlにホキ美術館の広報担当者から突然「日テレで小尾さんのオイルスケッチの制作過程を撮りたいと言ってるんですが…。」と言われた。何のことやらと面食らっていると、この「沸騰ワード」の話が。要はアート業界というくくりでいくつかのワードが紹介される中にホキ美術館が取り上げられることになり、実際に画家が絵を描いている場面を取材したいということだった。写実画家の仕事は大体みんな1枚に数か月かかるのだが、私のオイルスケッチだけは例外的に短時間で一気に仕上げるために取材しやすいという事情があるのだろう。

 

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ちょうど間近にGallery Suchi での展覧会が迫っていたため、そこに出品する1枚を取材してくれるならいいだろうということで引き受けることとなった。当初は今回ゲスト出演する稲垣結衣さんをスタジオ収録中に描いてくれないかなんていうものすごい話までやり取りされていたのだが、さすがにこちらもそこまでの”特殊能力者”ではなく、できることには限界がある。やり取りの末、落としどころとしてうちのアトリエで制作するところの取材なら。下層描きとグレーズの間に最低でも4日間は乾燥の時間が必要なので約3時間ずつ2日間の撮影が可能ならOKです。というところに落ち着いた。

 

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事前に一度モデルさんに来てもらい大まかなポーズを決めておき、いざ撮影当日。なんと呪われたことにその日に合わせたかのように台風襲来。大雨で真っ暗な中での描きだしとなった。撮影は背後からの固定カメラでの定点撮影と、あとは手持ちのカメラで手元を撮ったりアトリエの状況を撮ったり…。というもの。絵を描く上ではいつもと変りなく特に問題はなかったが、天候のため手元が暗いのと、定点撮影を通しで続けているため、途中でイーゼルを移動したり上げ下げできないという不自由さは多少感じた。作業後、簡単なインタビューがあってその日は終了。

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 撮影の2日目はそれから6日後くらいだったか、今回は天候にも恵まれた。下層描きの上にグレーズを用いて一気に仕上げる。初日と2日目、20分ポーズを各6ポーズずつ、合計12ポーズで仕上げた。たぶん番組ではこの4時間分の作業を10秒くらいに圧縮して一気に仕上がるまでを見せるんだと思う。そんな撮影は今までやったこともないので自分でもどんなふうになるのか興味がわいてくる。よくはわからないが、描きながらモデルさんの様子を見て顔の向きやら構図やらをどんどん変えていったので、その辺がどんな風に見えるのか。もしかしたらアニメーションみたいにぬるぬる動いてるのかなあ…。

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 ここまで書くとまるで私の絵に焦点を当てた番組みたいに誤解されてしまいかねないのではっきり言っておいた方がいいだろう。これは2時間番組の中のごく一部のこと。ホキ美術館についてはわずか3分。その中に私の制作過程も含まれている。だからつまりはせいぜい数十秒しか映らないということです。それでもよろしければぜひご覧ください。瞬きの間、とは言わないまでも、途中でトイレなんかに行ってると、あっという間に過ぎ去ってしまいますのでそのおつもりで。

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 なお、今回制作過程を撮影したオイルスケッチは放送日の翌日、1010日まで茅場町のGallery Suchiで展示されておりますので、http://www.osamu-obi.com/exhibition/2015/09/4.html展覧会に行ってから観るか、はたまた観てから行くかはあなた次第でございます。

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