“放置”農業

 

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我が家の家庭菜園のことは以前にも書いたことがあるかと思う。庭のあちこちにはなんとなく”畑みたいなもの”が散在している。合わせると合計畳10畳分以上にはなるのだろうか…。農家の人に見られたら笑われてしまうようないい加減な家庭菜園。初めの頃は結構いろんな本を読んあれこれ試していた。少なくとも家でやるのだから無農薬でやりたいと思った。その線は今も変わらないのだが、しかし実際やってみると、うちの庭は広さはあっても南にそびえたつ20メートル級の常緑樹の陰に入って日当たりが悪く、日当たりを欲する野菜たちはなかなか立派に育ってくれない。ま

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た、無農薬で頑張るには虫やら雑草やら、手間暇かけずにはなかなかうまくいってくれない。どう頑張ってもある時期が来ればむしゃむしゃ虫にやられてしまうし、気を抜くとあっという間に雑草に覆われてしまう。5月半ばにもなると一斉に出てくる蚊のために5分も畑に出れば10カ所以上刺される羽目になる。…仕事の片手間に何年かやってきた挙句

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たどり着いた方法は「有機農業」ならぬ、「放置農業」だった。

一言でいえば、無理しない農業。無農薬でやるのだから、雑草、虫は当たり前。必要以上の草取り、虫の駆除はしない。6月末あたりになればほとんど虫と雑草に負けてしまうし、冬は日当たりがなく、畑そのものが凍りついてしまうので、夏と冬はあきらめて春限定の畑にする。例えばネギやホウレンソウ、ナスなど、経験上、うちの庭の条件に合わないものは作らない。種まきは、きちんと間隔をあけてまくのは大変なので、基本的に種はばらまき。出てきた順に間引きながら食べる。…そんな具合。でもまったく何もしないかといえばそんなことはない。毎年春と秋、大量に降り注ぐ落ち葉は、庭の一角に掘った穴に放りこんで堆肥にし、1年後に畑に鋤き込む。庭に生える木々の枝は放っておくとみるみる伸びてジャングルになるため、毎年大量に剪定しなければならない。それをいちいち切りそろえてゴミの日に出すのはほぼ不可能なので、庭の一角に積んでおき、一部は畑のキュウリやインゲンなどのつる性植物がまきつくための手にする。使い終わったものは毎年3回ほどまとめて焚火にし、残った灰は畑の肥料に。そう、庭のものは全て庭に返すようにすれば、すべて循環して無駄なものが何もない。お金もかからないというわけ。そう思えば落ち葉も宝物に思えるし、冬の焚火で焼き芋なんかやると、ちょっとした子供たちのイベントにもなる。http://www.osamu-obi.com/blog/2013/12/post-259.htmlそのままバーベキューに突入なんてこともやったことがある。春には腐葉土の中から大量のカブトムシの幼虫が収穫できるし、http://www.osamu-obi.com/blog/2014/03/post-266.html考えようによっちゃあ、いいことずくめだ。

そんなわけで最近の我が家の畑は収穫の時期を迎えている。レタスはできてから採るのではなく、必要なときに下の方から順に

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葉を採って食べる。小松菜や春菊、ミズナなどはびっしり生えたのを間引きしながら食べるのだが、最近は増える速さに食べる量が追い付かないほど。そろそろトマトやキュウリの苗を植える時期なので、今日はまだ収穫しきれない小松菜の間にそのまま苗を植え付けた。たぶんそのうち大きくなるころには残りの小松菜達も収穫されているだろう。玄関わきに

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はほぼ野生化したほったらかしのイチゴが実をつけ始めているし、そろそろ庭中にシソ

IMG_0199.jpgや、エゴマの葉が出てくるころ。このエゴマの葉で、焼いた肉を包んで食べると韓国の味が楽しめる。庭の梅の木、栗の木、ビワの木、ユスラ梅、柿、ミカン、キウィ、ブルーベリーにラズベリー…どれも日当たりのせいでそれほど実のつきはよくないが、季節ごとに楽しみを与えてくれる。横浜に住んでいたIMG_0202.jpg

時にはとても味わえなかった感覚。庭を見渡すと、ちょうどアイリスが一番の花盛り。これから蚊が出始めるまでの数週間が我が家の庭の最も美しい貴重な季節。…でもあっという間に終わっちゃうんだよなあ…。

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