小尾修画集―痕跡

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 実は来月、私の画集が出版されることになっている。画集のタイトルは「小尾修画集―痕跡」。この話があったのはもう半年近く前のこと。スケジュールがいっぱいの中、ちゃんとやれるかという不安はあったが、いい機会かと思い作ることを決心した。まったく初めてのことなので、具体的に何をしなければならないのか、何ができるのかもわからないままのスタート。正直言えば、作品画像とリストさえ渡せば、あとは自動的に出来上がっていくような気楽な考えがなかったと言えば嘘になるかもしれない。ところがどっこい、そう簡単なものではなかった。画集全体の構成をどのようにするのか、ページの振り分けからレイアウト、作品に対するいくつかのコメント…。しまいには自分で必要なカット写真を撮り始めたり、使い方もよくわからないイラストレーターを使ってレイアウト案を作ったりしている…。いや、もちろんこれは自分がこだわり始めちゃったからいけないんで、たぶん、本来はそこまでする必要はないんだと思うが…。きっと担当の人は「面倒くさい奴と組んじゃったなあ。」なんてぼやいているのかもしれない。

 

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どうせ作るなら、ありきたりの作品カタログ的なものにはしたくないと思い始めたのがそもそもの間違い、…いや発端だった。作品を単に年代順に並べるのではなく、いくつかのキーワードによって分けてみる。制作場面も交えながら、観る人が、制作の現場に居合わせているような感覚を味わえる本。思い切ったクローズアップを入れながら、油絵具の物質性の魅力が伝わらないものか…。それを限られたページ数に収めなければならないのだから困っちゃう。「もっとページ増やせない?」なんて言っても予算の壁というものがあってなかなかわがままが通るもんでもない。そう。これは出版社がボランティアでやっているものではない。商売がかかっているのだ。売り上げと経費、まったく普段考えたことのないような要素が関わってくる。当たり前だよなぁ…。そんな訳で泣く泣く掲載できなかった作品もある。生みの苦しみという点では1枚の作品を描き上げる過程にも似ているかもしれないな。

 …そんなこんなをやっているうちに、気付くと出版まで1ヶ月を切っていた。「もうそろそろ宣伝してもいいよ」、ということで、ここで書くことになった次第。

 つい先日は、最初の色校を行った。定休日のギャラリー

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スチの部屋を借りて、試し刷りの原稿を見ながら11枚微妙な色のニュアンスの違いを赤ペンで書きとめていく。あらかじめ、印刷会社で打ち合わせをしての第1稿だったためか、思った以上に良い仕上がり具合で、予想していたよりもずっと作業ははかどり、約1時間半ほどでチェックは終わった。今回書きこんだ指示でいったいどの程度こちらの思う色に近付いてくるのか、来週行われる2度目のチェックが楽しみだ。

 また、そのうち経過報告いたしましょう。

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