灯篭の住人

我が家の庭の灯篭はお隣の農家のご主人が、いらない灯篭があるけど欲しい?とただでくれたことから設置したもの。灯篭としての本来の機能はない。なぜならピンポン玉サイズの穴が一つ空いているだけなのだ。ところがこれがかえって都合のいいと感じた”やつ”がいる。…シジュウカラ。毎年春先になるとせっせと小枝を運んで穴を出入りする様子が見られる。そして、5月の連休あたりになると、今度は虫をくわえて2羽が交互に餌を運ぶ忙しそうな姿となる。今はだいぶ雛たちも育ってきているようで近くに行くと涼しげな鳴き声が聞こえる。小さな鈴のなるような音という言葉ではちょっと足りない。なんと表現したらいいのかわからないが、なぜかその音を聞いて思い出すのはずっと以前、萩に行ったときに聞いた、今焼きあがったばかりの焼き物から聞こえる音。釉薬の表面に貫入が入る時に発するかすかで繊細なガラス質の音だ。聞いているだけでも気分がよくなる。あと1週間もすれば皆巣立っていくのだろうか。まだその瞬間は見たことがない。ある日、気付くとすっかり静かになっているのだ。

このところ、すっかり雨続きで庭の花はかなり萎れてしまい、今年の庭はちょっと華やかさに欠けている。せっかく咲いたボタンは美しい姿を見せる間もなくよれよれになってしまった。しかしアイリスは今が盛り。アヤメもこれからだ。これでムギナデシコが一斉に咲くとまたちょっとは華やかさを取り戻すだろうか…。

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