存在の美学

先週水曜日から始まった展覧会「第2回 存在の美学 ―伊達市噴火湾文化研究所同人展―」。

初日の大々的なオープニングパーティ?に始まり、2日目以降のギャラリートークなどのイベント、思いがけないVIPの来場など、目まぐるしい数日間が過ぎ、ようやく落ち着きを取り戻したところだ。いつもながら思うことだが、こうした華やかなイベントごとは普段の自分自身の地味な生活とはあまりにもかけ離れていて妙な居心地の悪さがある。自分の日常はといえば、毎日アトリエに一人こもって絵具をいじる生活。用事がなければ人と会うこともない。最近のブログの内容を見ればわかるとおり、締め切りが迫ればほとんど自宅の半径50メートル以内から出ることもなく、仕事に行き詰ると庭に出て植物を植えたり穴を掘ったり畑仕事をしてみたり子供とトカゲランドを観察したり…、まったく華やかさとは程遠い生活だ。が、実際はこっちの方が性に合っている。人前で妙に先生扱いされたり、偉そうなことを言わされるのには何年たっても慣れそうにない。先日銀座にある吉兆で夕食をごちそうになる機会があった。野田さんには「もう、一生食えないかもしれないぞ。」などと言われながら、それもそうだと目の前に現れる食べたこともないようなごちそうにうまいうまいとかぶりついていると、目の前に座っていた永山さんに「すごい美味しそうに食べますね。」と言われてしまう。貧乏がすっかり顔に出てしまっていたようで返答に困った。…そんなふうに豪華な料理にありついて浮かれながらも、一方で、「でも、毎週自由が丘で食べるラーメン屋のラーメンもおんなじくらいうまいぞ…。」などと思ってしまうのはこれまた貧乏人の発想かな???

展覧会場では何年ぶり、長いほうでは10年以上ぶりにもなる友人達との再会もあり懐かしくもありがたくもあった。

肝心の展覧会だが、恒例の”一人反省会”についてはここで書くことはやめておこう。一人反省会は自分の頭の中だけでやるべきもの…。一般に公開するようなものでもない。いずれにしてもこの「存在の美学」は、自らが関わる数あるグループ展の中でも自分にとっては特別な会であることは間違いない。今更ながら絵に真剣に取り組むことを自身に再確認させられるような緊張感を盛った展覧会だ。

東京での最終日は火曜日。もう1度行けたら会場に行ってみるつもり。もし機会がある方は是非1度ご覧ください。昨今の写実ブームと言われるものの中にあって、何かそれとは違うものを感じてもらえるのではないかと、出品者の一人として自負しています。

そう、Worksに今回の出品作「Sveva」の画像を載せておきました。ご覧ください。

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