変える(変わる?)ということ

新しい試みをするということはなんだかんだ言って勇気がいるものだ。帰国前と帰国後では少なくとも技法的には全く違ったことをしている。何も描くものをガラッと変えたわけでも、いきなり抽象を始めたわけでもないのだが、技法を変えるということはある程度表現が変わることをも意味する。今まで築き上げてきたものをいったんかなぐり捨てると言えば大げさかもしれないが、間違った言葉ともいえないだろうと思う。新たな試行錯誤の中から自分の求めるものを見つけ出す作業はエネルギーを必要とする。結果出来上がる作品に力がなければ周りから何を言われても「まだ始めたばかりだから。」などという言い訳は通用しない。すべては自分に帰ってくる。今まで築いてきたものを守っていこうとするならそれなりに安定したモノ作りはできるだろうが、大きな展開はあまり見込めないだろう。ここらでもう一度自分自身を活性化してみる必要はあるはずだ。果たして凶と出るか吉と出るか…、なんだか賭けみたいだな。

 ただ一方で思うのは、新しく変えるとは言っても今まで積み上げたものをすべて捨てて、まったく畑違いなことを始めるわけではない。あくまでもその延長線上に新たなものはある。そしてこうも思う、本人が思うほど周りの人は違いに気づかないものだ。何事も、本人が少しやりすぎと思うくらいでちょうどいい。

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