オランダ

このところこちらはずっと天気がさえない。気温も20度前後で肌寒い日もあり、今日などうちのアパートにはうっすら暖房も入っているくらい。

さて、火曜から3泊でオランダに行ってきた。今回のこちらでの生活の中で最後の旅行になる。目的はやはりレンブラント。アムステルダムの国立ミュージアムとデン・ハーグのマウリッツハイス美術館。レンブラントとフェルメールの質のいい作品を見ておきたかった。アムステルダムには学生の時にも訪れているが、なぜかあまり強い印象は残っていない。国立ミュージアムとゴッホ美術館を訪れた時の様子、なぜだか町中がその時臭かったこと、街を歩いていて誰かがひったくりにあって大声を出していたこと…。天気が良くなかったのか、なんとなく暗い感じの印象…。それ以外、あまり街の様子など思い出せない。なので行ったことがあるにもかかわらず、はじめて行くような感覚で訪れた。パリ北駅から電車に乗って3時間強、途中ベルギーのブリュッセルを通過する。数か月前に訪れた場所。どっしりしていてパリよりも鋭角的な街並み。色調が全体的に暗い。

アムステルダムには午後2時前に着いた。駅前でトラムのチケットを買い、宿に向かう。トラムに揺られながら街並みを眺めるとやはりベルギーとは何か違う。比較的急傾斜の茶色い屋根は似ているように思えるが、建物の壁面、むき出しのレンガ造りという点ではこちらの方がずっと多い。なので色調はこちらの方がずっと暗いし、中にはわざわざ黒く塗装した壁も多い。にもかかわらず、全体の印象はこちらの方が明るい。それはたぶん窓の縁どりの白のせいだろう。おかげで遠目に見た印象が装飾的でにぎやかになり、おもちゃの家かお菓子の家のような一種のかわいらしさをも感じさせるようだ。もう一つ見ていて気付くのは、かなりの建物が歪んでいること。傾いた建物、ゆがんだ窓。どうやって開け閉めするのかと思うようなものも。中には建物が前掲しているため、正面から斜めにつっかえ棒で補強しているようなものもある。イタリアのベネツィアでもあちこちで傾いた塔を見かけたが、同じ運河の街、地盤の問題など共通したものがあるのだろうか。

ところでオランダは全体的に宿が高い。イタリアの後だとなおさら高く感じる。ロンドンの時のように韓国人の民泊にしようかと思ったが、調べると、どこも市内の中心部からかなり離れていて不便らしく、諦めた。結局、街の周辺部だが、美術館に近い宿を見つけて予約しておいた。4人用のアパートメントタイプの宿。同じ値段の中ではかなりの広さがあり、キッチンもあるので朝食は自分たちで作って食べられる。細い急な階段を3階までのぼり部屋に入る。窓をよく見ると上部がステンドグラスになっており、外にはレンガ造りの向かいの建物、フェルメールの描く世界。裏にはヨーロッパ共通の中庭空間があり、向こうに裏の建物のベランダが並ぶ。息子は自分の会心のダジャレ、「オランダのベランダ」の実物に大喜びだ。

一休みして散策に出かける。そう、今回もイタリアの時同様、娘は買い物袋のベビーカーだ。実はイタリアから帰ってすぐ、こちらで使っていたベビーカーがつぶれた。ヨーロッパに来て1年で2台を使いつぶしたことになる。どれだけこっちで歩き回ったかがよくわかるというものだ。美術館周辺を通り、国立ミュージアム前から伸びる骨董通りと言われる道を歩く。アンテーィークのデルフト焼の店などもあり楽しそうだが、子供たちが暴れそうなので外から眺めるにとどめることにした。ズラリと並ぶ骨董品の店。どれも高そうだが見ていて楽しい。

まだ時間もありそうなので近くにあるムント広場を通り、レンブラント広場を抜け、さらに橋を渡ってレンブラントの家まで足を延ばすことにした。レンブラントの家の近くの広場では蚤の市が毎日開かれている。しかし残念ながら行った時にはすでにほとんどの店は片付けが終わっており、もちろんレンブラントの家もすでに閉まっていてその日は外から眺めるだけに終わる。それにしても実際歩いてみて思うのだが。思った以上にアムステルダムの街は小さい。こうして夕方歩いただけでほとんど街の半分近くの距離を見てしまったことになる。実際の距離がどうかはわからないが感覚としてはパリの凱旋門からルーブル美術館くらいの距離の中に街のほとんどがおさまっているような感じか。トラムが街を縦横に走っていてどこに行くにも便利だが、観光しようと思ったら歩くだけでもほとんど済んでしまいそうだ。結局その日は宿に行く道一回トラムに乗っただけであとは歩いてしまった。

夕飯はライツェ広場周辺の食堂街で。ステーキ屋が多いと聞いていたが本当だ。安いところに入ってみた。…が、安いだけあってか、やたらと肉が固く、噛み切ろうにも噛み切れない。1日目の夕食はちょっと失敗。帰りがけにスーパーで翌日の朝食のための買い物をして宿に帰る。

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