12日目の仕事

昨日娘がまた熱を出して病院まで連れて行くことになり、仕事が1日空いてしまった。おかげで充分な乾燥時間がとれた。いよいよ顔にグレーズをかける。今回は肌にバーミリオンを使わないでやってみようと考えている。実際使われてない絵もあるようだということと、特に今回の絵を見ると、土性系の絵の具だけで描かれているように感じるのだ。晩年、経済的にも困窮していたレンブラントが、高価な絵の具の使用が難しかったからなのかどうなのか、確かなことはわからないが…。ただし実際にこの絵にバーミリオンが使われているかいないのかはわからない。絵自体がかなりニス焼けで黄変しているようでそのために全てが土色に見えている可能性もある。今回、ロンドンのナショナルギャラリーで観察できたように、レンブラントの作品の色のトーンが決して茶色くはないということが分かっているので、それに基づき可能な限りニス色を取り除いた状態を想定して進めてみようと考えている。なので顔についてもまずは土性系の絵の具のみで進めてみて、その様子により肌の色が出ればその線で進め、原画の土色以上の色が出そうにないようならその段階でバーミリオンの使用を考えることにした。実際に使った色はOld Holland社のイングリッシュレッド。いろんなメーカーの土性系の赤を試しに買ってみたがここのが一番赤味が強かった。もしこれでも黄色いと感じたらわずかに赤のレーキを混ぜてもよいだろう。

実際やってみると思った以上にきれいに肌の色が出る。ほとんどイングリッシュレッドのみ、部分的にわずかに白を混ぜる程度。茶色味よりも自然な肌色に感じる。このままで充分行けそうだ。ニス焼けの色の分を考えてわずかに明るめに、そして黄色みを抑え、赤味と寒色のグレーを出していきたい。例えば黄変の色みは特に明るいパートに強く影響してくる。この絵で言うとターバンのハイライト部分。実際かなり黄色い。しかし、今実はルーブルの特別展として、別会場でレンブラントの展覧会をやっているのだが、そこに来ている別の美術館のレンブラント、例えばナショナルギャラリーのものなどを見ると、白い布に当たるハイライトは決して黄色くはなく、かなり白に近い。そこで今回描いているターバンもできる限り白に近い状態で仕上げようと思う。果たして目の前のレンブラントがいつか修復される時がきたとして、洗われた画面からは果たして今回自分がやっている模写のような色が出てきてくれるかどうか…。いずれにしてもあと1,2層絵の具をのせることになるかもしれない。

今日は頭部の他に、パレット上にのせられている絵の具の部分の色の下塗りなどやっておいた。まだまだこれからだが、一応原画との比較写真など載せておく。ひびが入ってるほうが原画。顔の部分などは多少下からあおって撮っているので少し上下につぶれて見えるかもしれない。

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