フランス人は不親切か ?

いろんな人に聞いてもたいてい帰ってくる答えは、フランス人は感じが悪い、冷たい、不親切、自分のことしか考えていない…などなど、あまり素敵な言葉は出てこない。長く住んでいる人ほどそんなマイナスイメージの言葉を口にするようだ。確かに、近所の大きな電気屋さんなどで商品のことがわからずに尋ねようとすると、「俺じゃない、あっちに聞け。私じゃない、そっちで聞いて。」みたいな対応をされてムダに歩かされる場面は多々ある。ルーブルの入場券売り場では学生証出したら大笑いされるし、学校の事務の人など、わかる人がいないとその人がいる日に出直せと言って、その人の来る日を教えてくれるわけでも、自分がその人に聞いといてくれるわけでもない。なるほどと思う場面は確かにある。ところが、コインランドリーで身銭を切ってまで使い方を教えてくれたおじさんや、会ったこともなかった者に観光案内までしてくれたDavidさんのような人もいる。眠った子どもを抱いて地下鉄に乗った時、席を譲られた経験は何度もある。評判の悪い地下鉄の中でそんな親切にちょくちょく出会うのはたぶん偶然ではない。

今日はメトロで韓国食材屋に買い出しに行ったのだが、ここぞとばかりに買ったため、たぶん20キロ以上の大荷物になった。タイヤ付の買い物袋を持っていったので転がすぶんには問題ないのだが、メトロの階段の上がり降りはたまったもんじゃない。妻はちびの面倒を見ながら、両手には大きなビニール袋とベビーカー、自分は10キロ入りの米を含む20キロ越えの買い物袋を持っての登り降り、ひーひー言ってるところ、どこからともなく60前後の白髪の男性がにこやかに表れ一緒に荷物を持って降りてくれた。ありがとうと言うとどういたしましてとやはりにこやかに答えて去って行こうとしたのだが、さらに階段が続いているのを見てわざわざ戻ってきて下まで手伝ってくれる。電車のホームに降りると向かい側のホームにその男性の姿。子供達が手を振るとむこうも手を振り返してくれた。さらに乗り換えの駅では、階段の途中で気付いた20歳前後の若い女性が手伝ってくれようと声をかけてくれる。さすがに大丈夫ですよと断ったが、とてもありがたかった。ふと後ろを見ると、妻がやはり若い女性から荷物を受け取っていた。下まで持ってくれたらしい。冷たいはずのフランス人達ががこうまでしてくれたのは、うわさが正しくなかったということか、それともそんなフランス人でも助けてあげたいと思わせてしまうほど私達がかわいそうに見えたからなのか…。

もちろん日本でもこんな親切を示す人はいると思うが、ここまで連続してこんな場面に出会うことは少ないのではないだろうか。たぶん、日本だったら助けを求めれば喜んでやってくれる人はいくらでもいたとしてもこういう積極性を示す人は少ないように思う。

今日の結論。「フランス人は不親切」という言葉は正しくない。「フランス人は、親切な人と不親切な人、感じのいい人と感じの悪い人の幅が広い。」さすがは個人主義の国、さすがは多民族の国。結局多様性なのかな。あ、もう一つ。もしかしたらこうも言えるのかもしれない。「フランス人は自分からする親切は好き。やらされる親切=仕事は嫌い。」いかがでしょう。

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